キミと初恋、はじめます。
迷いと現実
「そー、シキは飲み込み早いね。完璧」
「出来たー!」
「おい翔空!俺にも教えろよ!」
「なに、これ?何の暗号?」
放課後、あたしの部屋にて。
翔空はもちろん、なっちゃんと渋矢くんを含めた4人でお勉強会中です。
……勉強してるのは、あたしだけだけど。
なっちゃんは教科書を広げてはいるものの、1問も解かずにただ睨めっこしてかたまっている。
渋矢くんは教科書すら開かずに、ただ騒いでいるだけ。
「ちょっと詩姫。これ、どうなってんの?意味わかんないだけど」
なっちゃんに服を引っ張られて、どれどれと教科書を覗き込むと〝基〟の文字。