キミと初恋、はじめます。
「……あー。シキが大人になっていく」
「へ?」
思わずきょとんとすると、お兄ちゃんはポスッとあたしの頭に手を置いた。
「でも、シキは変わらないな。 どこまでも透明で真っ直ぐで……純粋。 世界がどれだけ汚れていても、きっとシキは汚れない」
「……?……どういうこと?」
「そのまんまの意味。そんなシキだから、心配になるんだよ。 突然消えそうでさ」
消える……?
あたしが?
「……まぁ、とにかく、1人で抱え込むなってこと。 考えすぎなくていい、シキが伝えたいって想うなら、真っ直ぐに伝えて来いよ」
「………………」
伝えても、いいのかな。
あたしの気持ちを……
あたしの心を……
心の奥に鍵を占めて隠したはずの、この想いを……
翔空に、ぶつけてもいいのかな。