キミと初恋、はじめます。
今、ここから
「…っ……はぁ…はぁ……コホッ……」
荒い息を抑えるように、あたしは胸元をギュッとつかんで肩で息をする。
全力で障害物を越えて走ってきたのだから、息があがるのも無理はない。
……あっちこっちぶつけたし。
目の前に続く花のアーチの先には、小さく石の隠れ家が見えて。
意を決して、息苦しさを抱えながら歩き出す。
元々喘息持ちなためか、運動は昔からあまり得意ではなくて。
走るとすぐに息苦しくなる。
体力のなさは、ピカイチなんだよね。
それにしても、苦しい。
喉の奥……胸の辺りから、ヒューヒューという音が聞こえる。
発作だろうか。
最近起きてなかったから、油断した。
こんな時に……っ!