キミと初恋、はじめます。
「……シキ……?」
まだ出逢って間もないけれど、あたしはあたりなりに、キミの事を見てたつもり。
「どうしたの?顔色……っ」
───…フラッ。
翔空の姿を見た途端、喉の奥からこみ上げてきた熱いものに息苦しさが増す。
身体から力が抜けて、前に倒れこんだあたしを翔空が咄嗟に受け止めた。
「シキ!?」
「…っ…はぁ…はぁ……ケホ…ッ」
喋りたいのに、喋れない。
伝えたいのに、伝えられない。
息が出来ない事よりも、それが苦しくて辛くて、あたしの瞳から涙がこぼれ落ちる。