キミと初恋、はじめます。
「学園祭まで1ヶ月ないからな!張り切って行こー!」
「「「おーっ!」」」
……うちのクラスって、こんなにハイテンションだったっけ。
あたしは皆のテンションに少し驚きながらも、高まる気持ちに笑みを零した。
──……あれから、まだ1週間ほどだけど。
あたしが翔空の正式な彼女になった事は、あっという間に全校に広がり、一部のファンクラブの人には鋭い視線を向けられる日々。
でも、大多数の人はなぜか公認してくれていて、あたしを見かけると声をかけてくれる友達も増えた。
とはいっても、あたしと翔空は何も変わることなく、いつもと同じ日々を過ごしていた。
「……わ?華沢!」
「えっ?」
ぼーっとしていて、呼びかけに気づかなかったらしい。
あたしは慌てて顔をあげる。