キミと初恋、はじめます。
「翔空のクラスは、男装女装喫茶って言ってたぞ」
「「男装女装喫茶??」」
「ぶっ」
祐介くんの衝撃的な言葉に、あたしと翔空がハモり、なっちゃんがレモンティを吹き出した。
「……え、なにそれ、俺もやるの……?」
まさに〝恐怖〟という目をして、翔空は顔をひきつらせる。
〝男装女装喫茶〟
言葉からして、恐らく男子が女装をし、女子が男装をする……
なんともシュールな喫茶店ってことだろうか。
「そりゃーやんだろ。てか、目玉だろ。学園の王子サマが女装だぜ?間違いなく、人気No.1になるよ」
「……あー、俺休む。うん、絶対」
「ダメだよ、翔空っ!」
あたしの楽しい文化祭が!
翔空が来ないと成り立たないんだよ!
思わず手をぐーに握りしめて、身を乗り出すように翔空に迫る。
そんなあたしの頭を撫でながら、なっちゃんは遠い目をして、尻込みする翔空に向かって言い放った。