キミと初恋、はじめます。
「……甘い……甘すぎる……」
え、なっちゃん?
祐介くんに連れられ、2人はあたし達を置いて屋上から出ていってしまった。
「……ふたりとも、どうしたのかな」
首をかしげてそう呟くと、翔空が困ったように笑った。
「俺たちがラブラブ過ぎて、ついていけないってことじゃない?」
「ら、ラブラブって……」
「だってシキ、俺のこと考えてたんでしょ?」
「っ……そんなに、考えてない」
思わず顔を背けてそう答えれば、翔空はくすりと笑って、あたしを腕の中にひっぱりこんだ。