キミと初恋、はじめます。
「……ん」
あたしのいちごバナナチョコクレープを手渡してくれた東条くんに、目をキラキラさせながら微笑んだ。
「ありがとう!東条くんっ」
美味しそう……!
手に持ったクレープはまだ温かくて、早く食べたい衝動にかられる。
「……東条じゃなくて、名前で読んで」
「はへ?」
パクッとクレープを頬張ったところで聞こえてきた、東条くんの言葉に思わずマヌケな声が出る。
「な、名前?」
「……うん、名前」
と、突然!?
あたしは目をぱちくりさせながらも、クレープを飲み込み、東条くんを見上げた。
「ひ、響…くん?」
「……ん、よく出来ました」
「っ……!」
わ、笑った。
東条く…じゃない、響くんが!
いつも無表情の響くんが、本当に小さくだけど笑ってくれた!