キミと初恋、はじめます。
「シキ、どっか行きたい所ある?」
「へ?」
「無いなら、俺に任せてくれない?」
翔空が考えてくれるの?
思いもしなかった翔空の提案に、あたしは目をキラキラさせて頷いた。
「楽しみにしてるね」
「うん。あ、ごちそーさま!今日も美味しかった」
あたしの作ったビーフシチューを綺麗に食べ終えた翔空は、笑って食器を片付け始める。
「あ、食器くらいやるからいいよ」
「いつも作ってくれるんだから、たまにはやらせて?俺がやりたいだけだし」
やんわりと断わられた。
あたしはお礼を言って、一人ソファで24日の事を考える。
翔空、どこに連れてってくれるのかな…
あまり慣れてなさそうだけど。
人混みとか嫌いそうだしね。
それでも自分に任せてと言ってくれたのが、なんだか嬉しくて自然と口角があがる。