キミと初恋、はじめます。


伝えたい。


大好きって伝えたい。



「……翔空」



でも、ごめんね。


あたしは行かなくちゃいけないから。


この場所には、いられないから。



「これ、明日の夜……読んで?」



鞄から取り出した手紙。


あたしと翔空の、さよならの手紙。


不思議そうな顔で受け取った翔空に、泣き顔のまま、微笑んで見せた。



ねえ、翔空?


キミは今、あたしの心がみえる?


いつもは手に取るようにわかるキミも、きっと今はみえないと思うんだ。



閉ざしたあたしの心は、誰にも知られない所に隠す事にするから。



なんでもわかっちゃう翔空だからこそ、今のあたしの心を知って欲しくないから。



だから、ここでばいばいしなきゃ。


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