キミと初恋、はじめます。
「そう、彼が翔空くんなのね!あらあら、随分イケメンになっちゃって……翔空くん、シキの事よろしくね」
「うん、よろしくされるー」
やめてお母さん!
勝手によろしくしないでぇぇぇ!
翔空もよろしくされるんじゃない!ばか!
あぁ……あたし、なんかキャラが崩れてきているような気がするのだけれど。
知らない、もう。
「と、翔空、行こ!」
「ん。あ、シキのお母さん……詩織さん。俺の母さんに今度お茶でもしようって伝えてくれって言われたー」
「百合が?そうね、久しぶりに会いたいわね〜。ありがと、翔空くん」
なんでこんなに親しげに話してるの、お母さんと翔空。
話に置いていかれたあたしは、溜息をついてひとりで歩き出す。