さよならからはじまる物語
「はぁっ…、やっと…着いた…。」
深夜の部屋は道路から見上げればすぐにわかる。
しかしその部屋には電気がついていない。
それならば入れ違いになったのだろうか?
いや、入れ違いになるはずがない。
ほぼ神社までの道は一本しかないから。
玄関のチャイムを押してみる。
「はーい。」
「あ、おばさん。朝陽です。深夜いますか?
あいつ約束してたのに今日の祭全然来ないから迎えに来たんすけど。」
「…ちょっと朝陽君中に入ってくれる?
話したいことがあるの。」
「?はい、おじゃまします。」