さよならからはじまる物語
リビングに通されて、おばさんと向かい合わせになるように座る。
取り出されたのは、白い封筒だった。
「おばさん、これは?」
「朝陽が来たら、渡してほしいって言われてたの。」
読んであげて、内容は私も知らないけど。
この家で俺に手紙を渡すなんて、深夜しかいないだろう。
どんなつもりで遅刻のいいわけでも書いているのだろうか。
「おばさん、これどういうこと…。」
最後まで読み進めた俺は、この言葉しか絞り出せなかった。
「深夜は、アメリカへ行ったわ。」