さよならからはじまる物語






「朝陽と二人か、分かった。」


どことなく未永が残念そうな感じの表情してるんだけど…。
やっぱり俺って恋愛対象じゃないんだろうか。


つらい。へこむ。


「未永は、やっぱり深夜もいないと嫌?」


「ううん、そうじゃないの。
何か二人きりなの緊張しちゃって。」


そうやって未永は、はにかんだ笑顔を見せてくる。
そんな顔をされると、俺の顔も真っ赤になるっての…。


「お前ら、幸せそうなバカップルのような雰囲気を見せつけてると、
俺が周りの視線にさらされているんだが、帰っていいか。」


「「そ、そんな雰囲気とか出してない!」」


「…置いてくぞ。」


こんな気の置けない会話ができる関係が、俺の何よりの宝物だった。
クラスや同期にたくさん友達はいても、この二人は俺にとって特別だった。







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