先生どうでしょう
そして受験シーズン。各クラスの担任の間では、自分のクラスからどれだけ偏差値の高い高校に合格者が出るか、といったお決まりの下らない争いが起きていたようだ。


自分をやんごとなき職業と自負し、俺様が送りだした生徒は優秀で~なんて自慢話をひけらかす同僚に嫌気がさしたと思われる彼は、願書送付期間の直前に突如言い放った。


「〇高校(偏差値市内トップ)には、うちのクラスからは受験させない!」



先生、バカですか?

ていうか笑った。


よっぽど頭にきてたんだろう。にしても子供じゃないんだから…


勿論、あれは勢いで言っただけの言葉で、受験させないなんて事は無かった。ただ「人間の価値は偏差値じゃない」とよく言っていた。


それから、「ギリギリで合格しても勉強についていくのが大変だぞ」とも言っていた。


妙に力強く言ってたから、あれは体験談に違いない。

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