こんなもの拾いました。
10代の私なら、気持ち悪いの一言で突っぱねたかもしれないが、疲れるような恋愛の激しさはもういらない。

昔はかっこよさとかで突っ走れたけど、今は減点方式だ。

彼女もしくは結婚していたらマイナス100点。
笑い方が嫌いマイナス32点。
食べ方が汚いマイナス78点。

こんなふうに嫌なものが目につき、しまいには破局を迎える。


だから減点する前に、付き合ってしまった。
まぁ、今考えたらあの告白はマイナス三億点だけど。


そこからの付き合いはずっと平行線の様なものだった。
交わることなどない。仕事が忙しいとお互い口にしては、距離を縮めることさえしなかった。


別れ際に言われた

「俺と仕事どっちが大事なんだ!」

という言葉は今でも覚えている。


胸に突き刺さったからでは、決してない。
付き合いたての彼女が言うセリフが彼氏の口からでてきたからだ。


彼氏の言葉に被せるようにして言った

「仕事」

という答えに涙を浮かべながら走り去った彼。顔色一つ変えず彼の元を去った私。


次の日、後輩から爆笑されたのは言うまでもない。
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