こんなもの拾いました。
大きい身長で上から人を睨み、足癖の悪さで、相手を蹴散らす。
男子から守ってもらった記憶は、頭を逆さにして振っても出てこない。


家は兄が二人いるし、母はお父さんにベタ惚れ。
その為、父の言うことには、従わなければならなかった。


そんな我が家の家訓。

「暴力には暴力で!!」

勿論、私もそれに従うしかなかった。

面倒ではあったが、自分と対極に位置している山本。
さらに、言いに来た山本の手は震えていた。相当勇気がいったのだろう。
その根性と自分と違う考えの女友達がいてもいいのでは?と考えて、友達になった。


「おーい!おーい!先輩聞いてます?」

「聞いてる。聞いてる。」

思い出から現実に意識を戻し、山本の話に耳を傾ける。


「その彼がね!」

「ああ、あの大手の」

「やだなー先輩。あれは4日前に別れました」


「ん?じゃあ今のは…?」

「2日前に付き合った彼です。」



「………」
「?」
「………………」

「あんたが嫌われる理由はあんたに原因ありだな」

「えー!沈黙しといて何を言うかと思ったら、どいひー!」
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