DQN女がオトナになるまで。
急接近
佐野さんと野澤さんと
連絡を取るようになってから
一週間くらい経った頃。
バイトを終えてから
地元の友達と公園で集まっていた。
「ねえー!どうしよう!どうしよう!」
「何が?」
興奮気味のあたしとは裏腹に
目の前の辰巳(たつみ)は
鼻で笑って呆れていた。
「だからー、最近話してるバイトの
野澤さんと佐野さんいるでしょ?!
って、香奈(かな)も聞いてる?!」
香奈はケータイをいじりながら
聞いてる聞いてる、と頷いた。
「でさ?なんか野澤さんのほうが
ドキドキするのね?
でも彼女いるしそもそも」
「どうでもいー」
あたしの言葉にかぶせるように
口を開いた辰巳はまた笑っていた。
「ねー待って。どうでもよくない!
聞いて!」
自分の話を聞いてもらいたい
あたしは必死に訴え続けた。
「だって寺塚の話飽きたもん
実際誰でもいいんでしょ?」
あたしはため息をこぼす。
香奈に意見を求ると
ケータイからは視線を外さずに
口を開いた。
「んー、だってそれは夕香が
したいようにすればいいだけじゃん?」