DQN女がオトナになるまで。
「はー、別れてぇー」
「別れちゃえばいいじゃないですか〜」
あたしは笑いながら
本音が少し混じった冗談を言った。
「ね。まあ電話してきます」
そう言って野澤さんは席を外した。
残されたあたしと龍二さんは
しばらく野澤さんが大変そうだ、
という話をしていたが
すぐにまた別の話題にうつっていた。
「ちょっと俺トイレ!」
「いってらっしゃーい」
部屋にひとり残されたあたしは
グラスに残ったお酒を飲み干した。
お酒は強くないどころか
かなり弱く、すぐ顔も赤くなる。
すでにあたしの頬は温かかった。
龍二さんは帰ってくるなり
すぐに話し出した。
「なんか野澤、仲直りしたっぽいよ」
何がおもしろいのかわからないが
酔っ払っているからか
龍二さんは終始にやにやしている。
「え、ほんとですか?」
「うん。だってなんか焼肉おごるから〜
みたいなこと言ってたし」