DQN女がオトナになるまで。
ー...
ヘルプ当日。
最寄駅から電車に乗り
一駅で着いた。
駅近なのと道もわかりやすかったので
迷うことなくお店の前に来れた。
正面のドアを引いて中に入る。
開店前という事もあり
薄暗い店内はとても静かで
キッチンの方から物音がする。
「寺塚!なんでこっちから入ってんの...」
高身長の男は苦笑しながら近づいてくる。
「佐野(さの)さん!
...だって店長が裏口わからなかったら
いいよって言ってたから!」
佐野 真幸(さの まさゆき)は
あたしの5つ年上の大学生。
居酒屋のお店の所属だけど
中華料理屋の方にもヘルプで来ていて
唯一の顔なじみ。
最初に声をかけてくれたのが
佐野さんでよかった、と安心していた。
「いやいやダメだから...こっち来て」
佐野さんに誘導されて
あたしはキッチンを通り抜け
裏口から外に出た。
「更衣室、あっち」
数メートル離れたところに
小さな小屋みたいなのが見える。
「とりあえず着替えてきな」
「はーい」