DQN女がオトナになるまで。


「教えないですよー...」

「えー気になるわー」

言わせたいのが丸わかりだけど、
言ったところであたしが彼女に
なれるはずもない。

そんなことはわかってる。

わかってるからこそ
自分からは何も言えない。

あたしは気を紛らわすためにも
強くもないのにお酒を飲み続けた。

「あ、てか俺と飲んだこと秘密ね!」

「?」

「ここ来る前さー、料理長たちに
誘われてたんだけど断っちゃったんだよね」

「あーなるほど」

「だから秘密!」

お酒のせいか
そのあとはどんな話をしたか
あまりハッキリとは覚えてない。

顔は赤くなり、
頭も中もポーッとしてきた頃。

2軒目の話をしていた。

「どっかいくー?」

「なんでもいいですよ〜」

「カラオケとか?
とりあえずどっかで休憩する?」

休憩、ってなんだろ...

頭がまわらずあたしは
とりあえず野澤さん任せにして
お会計を済ませ、お店の外にでた。


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