DQN女がオトナになるまで。
「んーどーすっかー
カラオケこの間いったばかだしな」
「たしかにそうですね」
「ホテルでもいくか〜」
冗談まじりに笑いながら
野澤さんに言われたこの一言にも
あたしも笑いながら答えてしまった。
「別にどこでもいいですよ〜」
「ここらへんどっかある?」
ホテル?ホテルって?
本気?だよね?
ただ泊まるだけ?彼女は?
これは浮気じゃないの?
あたしは軽くパニックになりながらも
平然を装って会話を続けていた。
結局あたしたちは
歩いて数分のホテルへと向かった。
ホテルに着くまでに
聞きたいことはたくさんあった。
だけど、何も聞けなかった。
いつもと同じように
普通の会話をしてくる野澤さんの
ペースに流されていた。
こういうホテルにくるのはほぼ初めて。
昔に一度、地元の先輩たちに
連れられて数人で泊まったことはあるけど
男の人と2人で入るなんて...