DQN女がオトナになるまで。
お酒を飲み終えると、
野澤さんがケータイを取り出し、
カメラを起動させた。
「撮るよ〜」
いきなりのことに内心驚きつつも、
あたしは野澤さんに近寄り写真を撮った。
写真なんて撮って
見つかったらどうするんだろう...
そんな心配と同時に
記念に残してくれたことに
喜んでしまう自分もいた。
お酒の空き缶を置き、
野澤さんは吸っていたタバコを消した。
「てか好きな人ってだれ」
「教えないです...」
お酒が完全にまわり、
頭も回らない中
答えるのがやっとだった。
野澤さんはぐっと顔を近づけて
あたしをそっと押し倒した。
「言ってよ」
「だって...知ってるじゃないですか」
「じゃあ、誰?」
「野澤さん...です」
その言葉を聞いた野澤さんは
あたしにそっとキスをした。一度だけ。
「...これ、浮気ですよ」
「もう浮気だったじゃん」
「ちゅー、しちゃったら浮気です...」