DQN女がオトナになるまで。

半泣きのあたしを見て
野澤さんはまた笑った。

「じゃあ、今日はここまで」

「...」

そのままあたしの隣に倒れこんだ。

「ゆっちゃんさー
これ俺じゃなかったら
最後まで無理やりやられてたかも
しれないよ?!
気をつけないとだよ〜」

「えー、そうですかね...」

あたしのペースに合わせてくれた
野澤さんに少しだけ優しさを感じた。

あたしたちは向かい合って
横になっていた。
肌と肌が触れるくらいに。

すると思い出したように
野澤さんが口を開く。

「谷口からのLINEしつこかったから
見せたかったけど今未読にしてるから
見せられないのショック」

「みたかったです〜」

今のあたしには罪悪感は
ほとんどない。


“彼氏彼女なんて法的確約も何もないし
奪いたかったら奪えばいい”

何かの漫画のセリフが浮かんで
あたしの頭の中から離れない。

でも、実際その通りじゃない?

それに浮気するような人を
選んだのは自分でしょ。

だから、

別に

悪くないよね?







ツケが回ってくるなんて
思いもしなかったあたしは

この時、傷つく人がいるなんて
全く理解してなかった、
というか考えもしなかった。





だって



どうでもいいじゃん





< 35 / 36 >

この作品をシェア

pagetop