DQN女がオトナになるまで。
はぁ...
こんな大量の食器、
あたしひとりで片すの?
早く帰りたいのに〜...
20人ほど入る大広間を目の前に
あたしのモチベーションはすでに最悪。
とりあえずおぼんに食器を
まとめてみたものの
力仕事は極力したくないあたしは
手伝ってくれる人が来るかもという
期待をしておぼんは放置。
だけど一向に誰も来ない。
覚悟を決めて重たいおぼんを
運ぼうとしたとき、
野澤さんがおぼんに手をかけた。
「これ俺がやんの?」
「...お願いします」
呆れながらも笑っていた野澤さんに
あたしも任せてしまった。
結局、力仕事はすべてやってくれた
野澤さんは優しい人なのかも。
ひと段落してあしたはあがり。
更衣室で着替えを終わらせていると
コンコンと扉をノックされた。
「はーい」
「お疲れ〜」
入ってきたのは佐野さんだった。