イジワル同期とスイートライフ
「最低…」

「お、まだ元気だな」



強気にこちらをにらんでくるので、そんな理性は弾き飛ばしてやろうと試みた。

涙のにじんだ目が、ぎゅっと閉じられる。

開いた口から、声は出てこない。

意地っ張りめ。



「気持ちいい?」



真っ赤になった顔を腕で隠すようにして、そむける。

それで逃げてるつもりかよ?



「おい」



六条の背中がしなった。

必死に何度かうなずく、首元にも汗が光る。

それを舐め取りながら、これまでの間に見つけた、六条が絶対に抗えなくなるポイントを、ぐいと責めた。



「あ」

「気持ちいいかって訊いてんの」



またうなずく。

枕の上に広がった髪が、さらりと揺れる。



「聞こえない」



六条はもう、肩で息をしている状態で、枕を握りしめた手が震えている。

口がなにか言いたそうに動いた。



「なに?」



耳を寄せて、聞いてやる。

熱い、震える吐息を感じた直後、軽い痛みが走った。



「って」

「最低」



上気した頬で、目を羞恥と怒りに潤ませて、そんなことを言ってくる。

噛まれた耳を押さえて、つい笑った。

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