イジワル同期とスイートライフ
どうして?

どうして急に、変わっちゃったの?


ベッドカバーを乱暴に剥いで、久住くんは突き飛ばすように私を寝かせた。

裸の身体が覆いかぶさってくる。

その勢いでスプリングが軋む。



「ねえ」



熱い指が肌を這い、身体に食い込んだ。

首を噛む彼に声をかけても、返事はくれなかった。



「久住くん、って」



久住くんの指が、黙らせるように私の唇に触れる。

そうしながら、彼は濡れて昂った、男の人の目で私を見下ろしていた。


なにも言うなってこと?

言われたら困ることでもあるの?


吐息が指にぶつかって返ってくる。

ふとなにか試したくなったのか、彼がその指を、唇の隙間に差し込んだ。

反射的にそれを舐めた。

かすかに感じる汗の味は、彼のなのか、私のなのか。



「久住く──…」



ふっと優しく笑い、久住くんはその手で突然、私の口を覆った。

悲鳴は手の中でかき消された。

容赦なく責め立てられて、全身が総毛立つ感覚に背中が震える。

指先の痛みに、爪が反るほどの力でシーツを握りしめていたことに気づいた。


久住くんが身体を折って、ごつんと額を合わせてくる。

口を塞がれているせいで、キスはできない。

なにかに耐えるように眉根を寄せる彼が、荒い息を吐くのを肌で感じた。


ようやく手を離してくれたのは、私が疲れ果てて、声も出せなくなった頃だった。

頭はもう、痺れたようになっていて、押し寄せる快感を処理できない。

解放された呼吸は、泣き声みたいな音になって口からもれた。

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