イジワル同期とスイートライフ
私に音を上げさせて楽しんでいたこれまでとも違い、ひたすら追い立てて、壊れるところを見届けようとでもしているような、そんな鬼気迫った感じがあった。
実際、神経が焼き切れるんじゃないかと何度か恐怖した。
全身を緊張させて、それに耐えた。
そりゃ、身体も痛くなるってものだ。
「なに?」
久住くんが視線に気づいた。
最初きょとんとしていたものの、すぐに察したらしく、にやりと笑ってこちらに腕を伸ばす。
肩を抱き寄せて、柔らかく唇を押しつけてきた。
どのツラ下げて、今さらこんな甘いキス。
不信感を隠す気もない私の頭を、なだめるみたいになでて。
「朝メシ食って帰ろうぜ」
平然とそんなことを言って笑う。
いったい彼は、なにを考えているのか。
【今日遅くなる】
デスクでの仕事中、久住くんからそんなメッセージが来た。
ぎくっとする自分が嫌だった。
誰かと会うの、とか訊きたいのが本音なんだけど、露骨な気もしてためらわれる。
【また内覧してこようと思って】
私の葛藤を見透かしたように、追加情報が来た。
なるほど、部屋探しか。
それはそれで、あまり心穏やかでもないんだけれど、まあいい。
了解、だけじゃ愛想がないかと思い、いい部屋が見つかるといいね、くらい書こうと思ったんだけど、それはすなわち、早く出ていけという意味になりそうな気がしないでもなく、悩んだ末【がんばって】とだけ返した。
久々の恋心は、歳を重ねたせいもあってか、なかなか面倒なことになっている。
「飲んでるじゃない」
日付も変わる頃になって部屋に入ってきた久住くんは、酔っていた。
「うん」
「内覧してたんじゃなかったの?」
実際、神経が焼き切れるんじゃないかと何度か恐怖した。
全身を緊張させて、それに耐えた。
そりゃ、身体も痛くなるってものだ。
「なに?」
久住くんが視線に気づいた。
最初きょとんとしていたものの、すぐに察したらしく、にやりと笑ってこちらに腕を伸ばす。
肩を抱き寄せて、柔らかく唇を押しつけてきた。
どのツラ下げて、今さらこんな甘いキス。
不信感を隠す気もない私の頭を、なだめるみたいになでて。
「朝メシ食って帰ろうぜ」
平然とそんなことを言って笑う。
いったい彼は、なにを考えているのか。
【今日遅くなる】
デスクでの仕事中、久住くんからそんなメッセージが来た。
ぎくっとする自分が嫌だった。
誰かと会うの、とか訊きたいのが本音なんだけど、露骨な気もしてためらわれる。
【また内覧してこようと思って】
私の葛藤を見透かしたように、追加情報が来た。
なるほど、部屋探しか。
それはそれで、あまり心穏やかでもないんだけれど、まあいい。
了解、だけじゃ愛想がないかと思い、いい部屋が見つかるといいね、くらい書こうと思ったんだけど、それはすなわち、早く出ていけという意味になりそうな気がしないでもなく、悩んだ末【がんばって】とだけ返した。
久々の恋心は、歳を重ねたせいもあってか、なかなか面倒なことになっている。
「飲んでるじゃない」
日付も変わる頃になって部屋に入ってきた久住くんは、酔っていた。
「うん」
「内覧してたんじゃなかったの?」