今、2つの色で


ガンッ!!!


駿の腕の中のあたしの耳に、大きな音が聞こえてきた。


驚きの感情さえ乏しくなったあたしは、駿の腕越しに音のする方を見る。


それは、逢坂が机を蹴った音で――


その机は、音を立てて横に倒れた。


「…楠森てめぇふざけんじゃねぇぞ」


逢坂のその声は怒りに満ちていて、そのままあたしたちに近づいてきた。


「…逢坂には関係のない話なんじゃない?これは俺と凛夏の問題、部外者は黙っててよ」


「ふざけんなって言ってんだろ!!!」

< 199 / 500 >

この作品をシェア

pagetop