今、2つの色で
ガンッ!!!
駿の腕の中のあたしの耳に、大きな音が聞こえてきた。
驚きの感情さえ乏しくなったあたしは、駿の腕越しに音のする方を見る。
それは、逢坂が机を蹴った音で――
その机は、音を立てて横に倒れた。
「…楠森てめぇふざけんじゃねぇぞ」
逢坂のその声は怒りに満ちていて、そのままあたしたちに近づいてきた。
「…逢坂には関係のない話なんじゃない?これは俺と凛夏の問題、部外者は黙っててよ」
「ふざけんなって言ってんだろ!!!」