今、2つの色で


止まることを知らない涙を頑張って抑えて、あたしは目を閉じた。


一方逢坂は、駿のそんな言葉にビクともしない。


「…凛夏は浮気してねぇ、しねぇって言うけど」


それだけ言うと、逢坂はあたしたちに近寄ってくる。


そして、駿の耳元で低い声で囁いた。


「俺はてめぇに何言われようが、余裕でこいつと浮気する気でいるから」


何故そこまであたしを浮気相手にしたいのか分からない。


出会ったばっかのあたし。


ルックスだって特別優れているわけじゃないのに。


どうして?


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