今、2つの色で


「…勝手にすれば」


駿も低い声で言って、逢坂を睨んだ。


勝手にすればって…。


逢坂、それを聞かなきゃいけない相手はあたしだよ。


どうしてあたしが逢坂の浮気相手にならなくちゃいけないの?


グルグルと回る頭の中と心の奥を整理するのには、少しの時間じゃ足りなかった。


「帰ろ」


その言葉と同時に勢いよく掴まれた、あたしの手。

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