今、2つの色で
「どうして?黒の方がかっこいいよ」
担任の女教師は、俺の髪を指差して優しく笑った。
「周りが思うかっこいいとかいらない」
今思えばこういう発言こそ、周りから見たらだせぇのかもしんねぇけど。
――とにかくその頃から、俺は周りのやつらと同じことをするのが大嫌いだった。
そんなこんなで。
髪は金色だし制服は着崩すし、教師にも反抗していた俺は、もちろん教師からも友達からも拒まれる存在だった。
「あの子だよ~、逢坂蓮也くんって人」
「目立つね…怖い怖い」
「ルールを守れない問題児なんだって~…」