今、2つの色で


友達なんていなくても、別にどうってことなかった。


それよりも俺が嫌だったのは、“みんな同じでなくちゃいけない”という縛られた空間の中にいることで。


そうしなきゃ友達になれないんだったら、俺はこのまま一人で生きている方が楽なんじゃないかって…そう思ってた。


もちろん好きなやつも彼女もいなかったけど。


怖がられて悪口を言われたり、たまに殴られたりすることに別に応えていなかった俺にとっては、そのとき充分普通に生活できていたから、不満を持ったことはなかった。


しかし。


そんな俺に、転機が訪れた。


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