今、2つの色で


「楠森くんのグループ、私も入りたい!」


「私も!」


どうやらコイツの女子からの人気は凄いものらしく、楠森が俺のそばに来たことで、俺のそばには見たこともないくらいの人だかりができた。


「じゃあじゃんけんしよっ、あと3人限定だよ!」


人だかりの中にいた1人の女子が、先陣を切ってそう声をかけた。


グループは全部で4人。


楠森も入れて残り3人って、完全に俺はカウントされてねぇじゃん。


慣れてはいるけど。


いちいちツッこむのも面倒だった俺は、ただ黙ってその人だかりを見つめていた。

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