今、2つの色で


そんな風にいつも、俺は勝手にいないことにされていて。


でもそんな中、楠森は女子たちに笑顔で言った。


「あと2人だよ、俺と逢坂は決まってるんだ」


ただそれだけだった。


それでも何か、小さな俺の居場所ができた気がして。


俺を“一人”としてカウントした楠森に、どんなやつなんだろうって、少し興味がわいた。


「やったぁ、勝った」


それは“楠森と同じグループになるためじゃんけん”で優勝した、2人の女子生徒が喜ぶ声だった。

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