今、2つの色で


「これ書いたやつ今すぐ出て来いつってんだろうが!!!!!」


気づけば俺は大声で叫んで、そのまま手のひらで黒板を叩いていた。


シン…と。


楽しそうに盛り上がっていた教室の中が、一瞬にして静まり返る。


大きく張りつめた空気が、俺たちを覆った。


俺は視線を動かして東条を探す。


でもまだ登校してきていないのか、ここから出ていったのか、その姿はどこにもなくて。


ただほかのクラスメイトたちが俺を見ていた。


俺がクラス全体を睨みつけると、全員俺から目をそらす。


唯一、俺と目があったのは。


――楠森だった。


楠森は、俺をただ冷たい目で見ていた。

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