今、2つの色で
その日以来、楠森は学校に来なくなった。
俺の電話にもメッセージにも、一切応答はなくて。
アイツの居場所とか交友関係とか、アイツことをまだ深く知らなかった俺は、どこにもぶつけられない怒りと悲しみをただ抱えて毎日を過ごしていた。
あの黒板にあの文字を書いたのは、クラスの女子だったらしい。
俺があんなに怒ると思っていなかったらしく、あの場で恐る恐る口を開いた女子に、俺はどういうことなのかその場で問いただした。
そいつはこう言った。
『雪菜が…“逢坂くんのこと好き”って何回もうちらに言ってて…宿泊研修のときのこんな決定的な写真あったから…マジで付き合ってるんだって思って…』
そう言って見せられた、1枚の写真。