今、2つの色で
「ってわけで…もう遅いかもしんねぇけど、あの黒板の文字は嘘だったんだよ」
声をかけ合ってからすぐに俺たちは屋上に来て、何事もなかったかのように再び会話をした。
「もういいよ逢坂、てか悪かったのは俺…嘘だったのに、お前のことずっと無視しててごめんね」
少し、おかしいと思った。
コイツは当時はあんなに冷たい目で俺を見ていて、学校にも一度も来なくなり、俺からの連絡は全て無視をしていた。
「まさか同じ高校になるなんてな」
目の前の楠森は、そう言って笑ったけど。
こんな風にまた、俺に笑顔で話しかけられるはずがあるか?