今、2つの色で


そう言って見せられたのは、楠森とその女が一緒に撮ったであろう1枚のプリクラだった。


2人で仲良く肩を寄せ合い、ピースサインで写っていて。


そのプリクラには“駿だいすき!凛夏”と書かれていた。


凛夏って女が、楠森に向けて書いたその文字。


俺はただ黙って、その画面を見ていた。


そのときだった。


俺の見ていた画面がプリクラから切り替わり、先ほどの電子音が再び鳴り響くと共に、その画面は着信を知らせた。


――そこには、“東条雪菜”と表示されていた。

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