今、2つの色で


プチン。


俺の中で、何かが切れる音がした。


「もしもし雪菜?うん、このあとかぁ…うーん…分かった、うん、先約はあったけど…ううんいいよ、断っとくから」


その声は、どこまでも透き通っているのに。


コイツ――最低だ。


「うん、じゃあね」


ガシャンッ!!!!


俺は通話を終えた楠森の胸倉を掴むと、そのままフェンスに押し付けた。


その力はきっと俺の最大限の力で。

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