今、2つの色で


ピーポー…と大きく鳴り響きながら遠ざかる、救急車のサイレンの音。


未亜がいなくなった教室の中の、教師や生徒たちの慌てた姿。


そして、あたしの胸が張り裂けそうな思い――。


もしこのまま未亜が酷い病気になってしまったら。


もう、未亜と笑い合うことができなくなってしまったら。


あたしは“恐怖”で言い切ることのできないようなその感情に身震いした。

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