今、2つの色で
* Episode 08 *
「凛夏」
帰りのホームルームが終わって、あたしの席に近寄ってきたのは未亜。
未亜は完全に帰る準備を整えてから、鞄を持ってあたしの背中を何度かポンポンと優しく叩いた。
その行動には、きっと意味があって。
今日委員会が終わったあと、あたしが駿にこの気持ちを伝えるということに気づいていたから、応援してくれたのだと思う。
「先に帰るね~、また明日ね」
「うん、またね未亜」
未亜はあたしに笑顔で手を振ってから、教室を出ていった。
未亜、ありがとう。
そして。