今、2つの色で
* Episode 09 *
それから月日は過ぎていき、いろいろな意味で運命の日である、冬季スポーツ大会の前日となった。
あたしと未亜の昼休みは、今日もいつも通り平和で。
「ハチマキ赤~」
未亜が手に取ったそのハチマキは、朝のホームルームで担任が配ったものだった。
「いいでしょ?情熱の赤!!だよ」
あたしはそう言って笑った。
あたしたち実行委員が考えて、それぞれのクラスに似合うような色に決められた、そのハチマキたち。