今、2つの色で


白石さんは、そんなあたしを驚いたようにして見たままそっと呟いた。


「…よかった…」


その彼女の表情はとても可愛くて、女の子らしくて、柔らかいものだった。


え…――?!


その白石さんの言葉に、あたしは思わず耳を疑った。


よ…よかったって何?!


いやどう考えても、あたしと逢坂が付き合ってなくてよかったってことだよね?!


そ、それってまさか。


あたしは苦笑いを浮かべたまま、恐る恐る白石さんに問いかけた。

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