今、2つの色で


「…地味な私なんかが華やか逢坂くんと…釣り合うはずはないって…思ってます…でも…逢坂くんはどんなときも、こんな私にも隔たりなく話しかけてくれました…私自身…恋するなんて思ってもいなかったので…驚きました」


――そっか。


逢坂は、こうやって何気なく誰かを救ってる。


きっと逢坂は、それには見返りなんて求めてない。


アイツの中にはきっとそういう親切な気持ちが常に働いていて、アイツがした何気ない行動やちょっとした言葉が…周りを救ってるんだ。


あの日、教室でレモンティーを飲んだ逢坂。


マフラーを貸してくれた逢坂。


あの女子生徒たちの嫌がらせから、守ってくれた逢坂。


泣いてるんじゃないかって思ったって言って、待っててくれた逢坂。


あたしもたくさん、逢坂の優しさに触れてきて。

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