今、2つの色で


あたしは顔を上げて、笑った。


「腹減った」


その声と共に。


「痛っ」


なんの前触れもなく。


後ろから、髪の毛の毛先を引っ張られた。


そしてその声は、いつもあたしの視界に入らないところから堂々と入り込んでくる。


「ちょっ…やっぱり逢坂かっ」


後ろを振り返ると、そこには逢坂と白石さんがいた。

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