今、2つの色で


「凛夏」


あたしが逢坂を呼ぶと、逢坂もあたしを呼んで。


返ってくる声と言葉が、嬉しくて苦しくて。


こんなに逢坂を好きになるなんて、思わなかった。


逢坂のもとへ走るあたしと、あたしのもとへ走る逢坂。


「あのねっ」


2人の距離は少しづつ縮まって、あと一歩分のところでお互いに立ち止まった。


軽く呼吸を整えて、逢坂を見つめる。


逢坂も同じようにあたしを見つめて。


今、伝えたい。

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