今、2つの色で


「っ逢坂はずっと、あたしを浮気相手に誘ってた…なのに本気になっちゃって、更にどこかでちょっと期待しちゃって」


早口になってしまう、あたしの口調。


だめだ、もっとゆっくり。


落ち着いて。


あたしはしっかり逢坂を見たまま、軽く深呼吸する。


「駿にはちゃんとこの気持ち伝えてきた…っ逢坂のことなんか好きになる予定はなかったのに~…っ」


思わず涙が溢れ出した。


子供っぽくて、情けない。


それでも逢坂は、笑わずに聞いてくれて。

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