今、2つの色で


「俺も好き、凛夏のこと」


――身体の力が。


急に抜けていくのが、分かった。


嬉しさも喜びも感じられないほど、あたしは自分の中の全ての力を使い切ったようで。


立っていられなくなりそうで、逢坂に全体重を預けてしまう。


それでも逢坂はピクリとも動かずに、あたしを受け止めて。


そのままもう一度、抱きしめる。


「っ白石さんは…っ白石さんとは…付き合うことになってないの…?」


不安だった気持ちが、つい、溢れる。


でも逢坂は、声のトーンを変えずに呟く。


「困ったことにずっとお前しか見えてねぇんだ俺」


ああ。


心も、身体も、震えが止まらない。


あたし、逢坂と、両想――


「でも」


――え


「俺、明日引っ越すんだ」


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