今、2つの色で


その言葉を聞いて。


あたしの脳内に、大きな何かがぶつかってきて。


受け止めきれないほどの衝撃を受けたような、そんな感覚がした。


「どう…いう…こ…と…」


それは震える、小さな声で。


あたしは力を振り絞って、逢坂の目を見る。


「…黙ってて悪かった、親の仕事の関係で…引っ越す」


――嘘だ。


嘘だって言ってよ。

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